東京都は9日、都内で新型コロナウイルスの感染者を新たに224人確認したと発表した。200人を超えるのは4月17日(206人)以来で、都内の1日あたりの感染者数として過去最多となる。大阪府でも緊急事態宣言解除後では最多の31人の感染が確認された。首都圏や関西圏を中心に全国で356人の感染が確認され、再び感染が拡大しつつある。
小池百合子知事は9日、報道陣に「これまでで最大の数字で、ひとつの警告だ」と危機感を示した。
都によると、9日に確認された224人を年代別にみると、20代、30代が全体の75%を占めた。無症状は24人だった。現時点で感染経路が不明な人は104人。接待を伴う飲食店従業員らの「夜の街」関連は74人で、うち新宿が52人、池袋が4人だった。
都は感染者が急増している要因として、接待を伴う飲食店などでの集団検査の実施や検査件数の増加を挙げている。感染者数が過去最多だった4月17日ごろは1千件ほどだったが、今月6日は約3500件に上ったという。小池知事は「検査体制をさらに拡充しようとしており、陽性者が今後増えることも考えられる」と語った。
都は9日、「次の波」への警戒を呼びかけるための新たな指標に基づき、週に1回実施する専門家による都の現状分析の結果を公表した。前日までの1週間を評価対象としているため、9日の224人は評価の対象になっていない。
専門家による分析では、市中感染の広がりを判断する感染状況の評価について、深刻度が4段階で上から2番目の「感染が拡大しつつあると思われる」との前週の評価を維持した。ただ、直近1週間の感染者数については「40代、50代の感染者の増加がみられる」「感染経路は接待を伴う飲食店などだけでなく、同居人や、職場、会食など多岐にわたる」と指摘し、感染源がより広範囲に及んでいると現状を分析した。
一方、医療提供体制の評価では、深刻度に応じた4段階のうち、前週の「強化の準備が必要であると思われる」から、上から2番目の「強化が必要であると思われる」に1段階引き上げた。
重症患者は8日時点で6人にとどまるが、検査の陽性率が2週連続で上昇し、前週の3・4%から5・6%に高くなっていることに加え、入院患者数が前週の271人から444人に増加し、重症化のリスクが高い年齢層の入院が増えていることなどを踏まえたという。都は13日までに、病床確保数を現在の1千床から2800床に増やすよう、医療機関に要請した。
小池知事は9日夜、政府の新型コロナ対応を担当する西村康稔経済再生相と内閣府で会談。西村氏は会談後、10日に改めて都と感染症対策の専門家らを交えて対応策を協議すると説明した。小池知事は10日に神奈川、千葉、埼玉の3県の知事とオンラインで対策を協議することを明らかにした。
大阪府で30人を超えるのは、44人だった4月29日以来。31人のうち21人が20~30代という。京都市では5人が判明し、京都府内での感染確認は15日連続となった。
首都圏では神奈川県で25人、千葉、埼玉両県で各22人の感染が確認された。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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