新型コロナウイルス感染による東京都内の入院患者が、8月下旬以来、約4カ月ぶりに4千人を超えた。過去2年と比べて感染状況が非常に深刻な中で年末年始を迎えることになる。都は、期間中に診療する医療機関を増やすとともに、感染防止策の徹底を都民に強く呼びかけている。
新型コロナに関する28日のモニタリング会議で報告された。入院患者数は27日時点で4184人で、前回報告時(21日時点)より322人多い。60代以上が約84%を占める。都医師会の猪口正孝副会長は28日、ワクチンで獲得した免疫力が低下し、重症化につながっているなどと分析した。
都内の感染者数は9週連続で増加傾向にある。12月28日の新規感染者数は2020年が491人、21年が45人だったが、今年は2万243人に上った。医師の陽性判定を受けず、発表に含まれていない感染者も少なくないとみられる。
都は年末年始の医療・検査体制を強化した。協力金を支給し、29日~1月9日の間に1日以上診察する医療機関を計2411カ所確保した。12の都立病院は1日あたり計1千人を診察できるという。都のホームページからつながれる臨時オンライン発熱診療センター(https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/onlinesinryo.html)も29日~1月3日は24時間運営とする。
医療機関の逼迫を避けるため、都は、重症化リスクの低い人の場合、検査キットで自主検査をして陽性者登録センター(https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/shien/youseitouroku.html)に登録したり、オンライン診療を活用したりするよう呼びかけている。一方、重症化リスクの高い人や小学生以下の子どもは医療機関ですぐに受診するよう求めている。
旅行者向けに、臨時検査所も1月12日まで東京駅や新宿駅など8カ所に設ける。無料で抗原定性検査が受けられる。
小池百合子知事は28日の会見で「初詣や集まりもあると思うが、楽しく過ごすためにも、(ワクチンやマスクなどの)基本的な対策への協力をお願いする」と述べた。
年末年始に対応する医療機関は都福祉保健局のホームページで確認できる。QRコードからも接続できる。(本多由佳、笠原真)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル