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東京都が18日に確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は493人と過去最多となりました。これまで高止まりが続いていましたが、なぜそれが崩れたのでしょうか。発生当初から多くの患者を診てきた国立国際医療研究センター・忽那賢志先生に聞きます。
(Q.なぜ感染が急増しているのでしょうか)
はっきりした原因はわかりません。例えば、気温が低くなり換気がしにくいとか、人と人の接触が増えていることなどが増加につながっているかもしれません。検査陽性率も徐々に高くなっているので、市中で広がっている可能性が高いと思います。最終的にどの程度まで増えるのか、あまり想像したくないところです。 東京の60代以上の新規感染者数は、12日から18日までの7日間でみると399人と、これまでで最も多いです。8月の第2波からあまり数は減らず、11月になり増えてきています。
(Q.これをどう考えますか)
第2波は、若い人たちが中心でしたが、第2波の後半になると、だんだん高齢者の割合が増えてきています。数としては減っていない。ここにきて、第3波は、高齢者の割合が減らないまま、感染者の数が増えていますので、その分、高齢者の数が増えている状況です。今は、職場や会食から持ち込まれて家庭内に広がっています。また、高齢施設でのクラスターも発生したりしているのが、高齢者の方が増えているということがいえます。 現在の病床数の使用率は約50%。重症者用も150床のうち使われているのは39床で、使用率は約30%です。都は感染状況の警戒レベルを最大に引き上げる一方で、医療提供体制については、上から2番目に据え置くといいます。
(Q.まだ余裕がある状況ですか)
はっきり言って余裕はありません。東京都全体でみると、余っているように見えるかもしれません。特定の医療機関に負担が偏っているのではないかと思います。第1波から第2波とずっとコロナ患者を診続けている病院もあるなかで、コロナの患者が減ったときに第1波以前の診療体制に戻している施設もあるようです。そうした病院は、コロナの患者が増えても、すぐには受け入れることができませんので、現在は特定の病院に集まっています。そうした病院はひっ迫している状況です。だから、第1波のように、各病院で負担を分け合うような体制に戻さないと、今後の患者の増加数を受け止めきれなくなる可能性があると思っています。 (Q.医療現場から見て、GoToを含め、行政側の対応についてどう思いますか)
GoToは経済にとって、大切な対策だと思います。感染の流行の程度に合わせて、柔軟な対応が必要なのではないかと思います。あとは職場での感染というのも目立っていますので、企業へのお願いとして、テレワークを推奨したりすることが必要だと思います。 (Q.今後、新型コロナの専門病棟とそれ以外で整備していくべきだと思いますか)
特定の病院に患者を集めていくというのは、方向性としては非常に良いかと思います。しかし、現時点で、全ての患者をコロナ専門病院で診るのは、キャパシティー的に難しい状況です。東京は軽症までコロナ病院で診ていて、役割分担で負担を減らしています。将来的には人員の配置や設備が整えば、一気に担うということも可能かもしれませんが、すぐには難しいと思います。コロナを診ないという病院であっても、思わぬところから院内に持ち込まれてクラスターが発生するということもありますので、全ての病院で感染対策はきっちり続ける必要があると思います。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース