東京大学は2016年度入試から導入した推薦入試の見直しを検討している。東大では推薦入学者を「学習意欲が高く優秀」と評価しつつも、これまでの5回の実施で一度も募集人数(100人程度)に合格者数が達していないことを問題視しており、志願者を増やすため、推薦要件の変更を含めて検討しているという。早ければ新高校3年生が受ける次回の21年度入試から改革を実施したい考えだ。
合格者は一度も定員に満たず
東大は「学部学生の多様性を促進し、学部教育の活性化を図る」ことを狙って推薦入試を導入した。一般入試と異なり、学部ごとに推薦要件や試験内容を定めるのが特徴で、高校時代の学習や学校外の活動、大会成績などの要件を定めて高校教員による推薦書や生徒による志願書の提出を求め、学部ごとに面接や討論、発表などを課して合否を決めている。
10学部あわせて100人程度を募集しているが、志願者数は最も多かった19年度入試で165校の185人。5年間で一度も志願倍率が2倍に達していない。その結果、合格者数は最も多かった16年度入試で77人。合格者数は5回とも募集人数に満たなかった。2月12日に合格発表を行った20年度入試には151校の173人が志願し、73人が合格した。
志願者数「できれば300人に」
12日の記者会見で東大の福田裕穂理事・副学長(入試担当)は「(志願者が)200名台、できれば300名台にならないと(いけない)」と語る。志願者が伸び悩んでいる原因の一つとみられているのが、推薦できる生徒を各高校から男女1人と限っていること。学内の検討では、この要件の見直しの可否も含めて検討しているという。福田理事によると、受験生にマイナスの影響がないと判断すれば、新高校3年生が受ける2021年度推薦入試から何らかの変更をしたいという。
高校生新聞社
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