英語民間試験の活用が見送られることが決まった大学入学共通テスト。さらに国語と数学で記述式問題があること、また、その採点者に民間のアルバイトが含まれることなどについて、国会でも激しい議論が続いている。
「一度作ったものはなかなか直しにくい。受験システムも後で拡張しやすいようには作られてこなかったし、バグや設計ミスのようなものが今に続いていると思う」と話すのが、AIやブロックチェーン技術を研究する東京大学の大澤昇平特任准教授だ。
実は大澤氏は、高等専門学校(高専)から筑波大学に編入したあと、東京大学大学院に入学した経歴を持つ。高専は高度経済成長期に即戦力となる技術者を養成するために全国に設置された学校で、中学卒業後に入学し、高等学校3年間と大学1、2年次にあたる5年間の課程となっている。卒業すれば準学士の学位が授与され、短期大学卒業と同等の扱いとなる。「基本的には理系で、大学受験に必要な古典や漢文の学習が少なくて済む一方、数学・物理はむしろ大学で教わる分まで早めに学び、最後の2年間は就職に向けて実用的な技能を身に着け、“新卒教育”的なところもやってしまうので社会人1年目でも他の人材よりも即戦力となる人材となる」。
また4年生大学では高専修了生の編入を受け入れており、現在では卒業生のおよそ半分にあたる5000人が主に3年次に進学しているという。東京大学の場合、編入枠は「若干名」となっているが、全国から毎年5名程度が進学しているのだという。大澤氏は「高校生は3年生になって焦り始めるし、一生懸命勉強して大学に入ると、今度は1、2年で人生の夏休み期間を謳歌、そして4年生になって就活で焦ると思う。そこが高専の場合、大学で学ぶような内容も教育されているので、ゲームでいえば一度エンディングを見てからまたプロローグが始まるようなアドバンテージがある。ここが美味しいところだ(笑)私にとって高専は“東大へのファストパス”だった」と話していた。
さらに、大澤氏は議論が続いている英語教育について、「コミュニケーション能力が重要視されているが、中でもグローバルスタンダードが広がっている今、英語を捨てることはできない。そういう意味では英語民間試験が掲げるビジョンはいいと思う。試験があるからといって古文や漢文にリソースを割くのではなく、本来はインターナショナルスクールのように、教師が英語で教え、子どもがそれを聞く、ということをやるべきだ。同時通訳機では舐められてしまうし、国際社会では英語が使えたほうが信用を得やすい」とした。(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
Leave a Comment