東大准教授の中国人差別ツイートに識者「多様性を尊重した社会を」(TOKYO MX)

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。12月3日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、国際弁護士で元裁判官の清原博さんが、“差別的発言”について見解を述べました。

◆東大准教授が差別的発言

東京大学大学院 情報学環・学際情報学府の大澤昇平特任准教授がTwitterに、自身が経営する会社の採用について「そもそも中国人って時点で面接に呼びません。書類で落とします」などと投稿し、物議を醸しています。この書き込みについて、大学側は「不適切な発言」とし、謝罪。さらに大澤氏が担当する公開講座に資金を寄付する民間企業にも「価値観は到底受け入れられない」と寄付の停止を表明しています。

これを受け、大澤氏は「迷惑、不快感を与えた点について深く陳謝します」とTwitter上で謝罪し、関連ツイートを削除しました。

清原さんは、「大澤氏が強気の発言を続けてきた根拠に、AI(人工知能)があった。AIが“中国人のパフォーマンスは低い”という統計的なデータを出しているから採用しないといった旨を述べていた」と説明。そして、「AIが間違っていたから、自分も過ちを認めて謝罪したという形になったため、『AIのせいにするのか』と余計に批判を受けている」と話します。

さらには、「中国の独裁体制に対する怒りが背景にあったかもしれないが、かといって中国人に対して差別発言が出るのはおかしい」と苦言を呈します。

大澤氏が代表取締役社長を務め、AIプラットフォーム「Daisy」を開発する株式会社Daisyは、今回の差別発言の影響で業務提携していたスイスの企業、Steamr社から提携解消され大打撃を受けました。それだけに、「不用意に差別的発言をすると、社会から完全に孤立してしまうし、自分の事業も立ちいかなくなってしまう。自分の発言には注意すべきだと思う。自分が差別される側の立場になったときにどう思うかを考えれば、不快に思うのは容易に想像できる。その想像力のなさが今回の事態を招いている」と清原さん。さらには、「“東大”という肩書きがある方だけに、とても残念」とも。

そして、このご時世では「当たり前のこと」と前置きし、清原さんは「多様性を尊重し、全ての人に開かれた社会を目指すべき」と提言しました。

MCの堀潤は「100%同意」と見解を示しつつも、「ジレンマを感じている」と言います。それは、「近年、グローバル化に伴って“多様性を尊重しましょう”ということで、ダイバーシティという言葉もかなり浸透した。でも、多様性を知って違いがわかることによって、交わったり協力し合ったりするのではなく、“関わらない”というほうに向いてしまうことが心配」ということ。

この意見に、清原さんも「トランプ米大統領など政治のリーダーが、そういうことをやり出したことによって、今まで“そうしてはいけない”と思っていた人たちが、“やってもいいんだ”と誤解してしまう。違うと思う人を排除しようとする傾向が世界に広まっている」と案じます。

堀が「こうしたジレンマはどう乗り越えるべき?」と問うと、元財務官僚でニューヨーク州弁護士の山口真由さんは「アメリカでは、黒人・白人の差別は絶対にいけないこととみんな思っている。でも、彼らは交わらないんですよね。最近、人種間での結婚が増えてはきましたけど珍しい。グループで遊ぶときもアジア人はアジア人のグループで分かれがち」と話します。

最後に清原さんは、「無理して交わる必要はないが、お互いの違いを認めて尊重し合えばいいだけ。但し、排除しようとすることは駄目」と改めて強調していました。



Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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