東京大学(東京都文京区)前で昨年1月、大学入学共通テストの受験生ら3人を包丁で刺したなどとして、殺人未遂罪などに問われた当時高校2年の少年(19)=名古屋市=の裁判員裁判が27日、東京地裁で結審した。検察側は「不特定多数を無差別に殺害しようとした身勝手な犯行」と述べ、懲役7~12年の不定期刑を求刑した。判決は11月17日。
検察側は論告で、少年は学力が伸びずに自暴自棄になったが、自殺の踏ん切りがつかず「罪悪感を背負うために犯行に及んだ」と指摘。動機は身勝手で計画性があるとして、刑罰を科すよう求めた。
弁護側は、精神的に未熟な少年が起こした事件で、更生を重視すべきだとして、保護処分を視野にした家裁への再送致が適当だとした。少年は最後に被害者らに改めて謝罪。犯行当時の心情を「勉強がうまくいかなくなって自分の存在価値を見いだせなくなった」と説明し、「周りの評価を気にしたり、目立つ人に嫉妬したりするダメな性格も変えていかなければならない。事件を一生反省する」と述べた。(遠藤隆史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル