東京大学は2月12日、5度目の実施となる2020年度推薦入試の合格者を決め、発表した。10学部で100人程度を募集したのに対し、志願者は173人(1.73倍)。書類、面接試験などによる選考を実施し、73人が合格した。導入から5年連続で合格者は募集人数に達しなかった。東大は志願者や合格者を増やすための推薦要件の変更などの改革を近く実施したい考えだ。
合格者のうち女子が33人で45.2%。一般入試の合格者のうち女子は2割に満たず、推薦入試は女子の比率が高い。今回はこれまでで最も女子の比率が高かった。志願者のうち女子の比率が43.4%で、ほぼ同じ割合だ。合格者の出身高校の地域は、東京が27.4%、関東(東京を除く)が15.1%、その他の地域が57.5%だった。関東以外の合格者の割合も一般入試より高いという。
147校の173人が志願
東大の推薦入試は各高校から男女各1人を推薦できる。今回の志願者173人は、16年度入試・17年度入試と並んで、最も少ない。これまでで志願者が最も多かったのは、19年度入試の185人で、一度も志願者数が募集人数の2倍に達していない。今回は147校から出願があり、そのうち初めて出願があったのは38校。これまで1度でも出願があったのは440校という。
推薦入試の選考は実質的に学部ごとに行っている。志願者173人のうち書類による1次選考を通過した133人が面接などの試験を受け、センター試験の結果(おおむね8割程度の得点が必要)もふまえて合格者を決めた。10学部のうち募集予定人数と同数以上の合格者を出したのは、教育学部、教養学部、理学部、医学部医学科のみだった。
「推薦合格者は優秀、志願者をなんとか増やしたい」
武田洋幸・推薦入試実施委員長(理学部長)によると、推薦入試で入学した学生の追跡調査を行っており、指導教員からは「一般の学生に比べ学習意欲が高く優秀であるという評価」だという。一方で、合格者が募集人数に達しないことについて「まだまだ私たちの努力不足。推薦入試は学部入試の多様化を目的に始めた。推薦要件を高校に説明しているがまだ伝わっていない可能性がある。志願者をなんとか増やしたい」と話す。
学内で推薦入試の見直しの検討を進めており、志願者や合格者を増やすための改革を早ければ次回の2021年度入試から実施したい考えという。
高校生新聞社
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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