東日本大震災から11日で12年を迎えた。巨大地震、大津波、原発事故の複合災害で、関連死を含む死者・行方不明者は2万2212人に上った。地震が起きた午後2時46分、各地で多くの人が犠牲者を悼んだ。
仙台市若林区荒浜では、堤防に並んだ人たちが海に向かって手を合わせた。妹とその家族を亡くした佐藤玲子さん(76)は「いつもは胸にしまっているけど、この日は色々思い出される。12年経っても何も変わらない」と話した。家族と訪れた加藤光太朗さん(12)は「ふだんはきれいな海も今日は怖く見えた。日頃から防災について考えなければ」と話した。
福島県主催の追悼式では、留守中に自宅にいた両親を津波で失った南相馬市の宮口公一さん(65)が遺族代表で登壇。「災害時、家族が一緒とは限らず、一人ひとりがどう行動すべきか常に防災意識を持って生活することが大切」と話した。岸田文雄首相も出席し、「大きな犠牲の下に得られた貴重な教訓を決して風化させることなく、後世に継承し、災害に強い国づくりを進めていくことは我々の責務」と述べた。
東京電力福島第一原発では社員ら約130人が黙禱(もくとう)した。小早川智明社長は「地域の声から懸念や疑問点の本質を知り、その立場に立って安全を大前提に丁寧に業務を行う努力が重要だ」と訓示した。
岸田政権が原発の新規建設などを打ち出す中、各地で脱原発を訴える集会も開かれた。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル