川村剛志
日本原子力研究開発機構は16日、東海再処理施設(茨城県)の廃止作業の一環として、高レベル放射性廃液をガラスで固める作業を17日に再開する、と発表した。機器トラブルのため、約2年間中断していた。完了まで70年、少なくとも1兆円の費用を見込む工程への影響はないとしている。
施設には、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す「再処理」の過程で生じた高レベル放射性廃液約358立方メートル(今年3月末時点)が残る。2028年度末の完了を目指し、19年7月に廃液を溶かしたガラスと混ぜて固める作業をいったん再開したが、月内のうちに中断していた。機構は「(計画を)守るべく努力をしていく」としている。
東海再処理施設は、1981年に日本初の再処理工場として本格運転を開始。2007年までに使用済み核燃料1140トンを再処理した。老朽化に加え、東京電力福島第一原発事故後に導入された新しい規制基準への対応に費用がかさむことなどから廃止を決定。18年に約70年かかる廃止計画が原子力規制委員会に認可された。(川村剛志)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment