金子和史
東芝の不正会計問題で、株主が旧経営陣に、同社への損害賠償を求めた株主代表訴訟の控訴審判決が6日、東京高裁(中村也寸志裁判長)であった。東芝は昨年の一審判決後に日本産業パートナーズ(JIP)に買収され、東京証券取引所への上場を廃止。高裁は、この過程で保有株が1未満になった原告らが「原告適格」を失ったと判断。請求を一部認めた一審判決を取り消し、株主らの訴えを却下した。
2015年に発覚した不正会計問題で、東芝は旧経営陣に責任があるとして佐々木則夫元社長ら5人を提訴。個人株主が他の歴代幹部10人に株主代表訴訟を起こした。
東京地裁は昨年3月、東芝が訴えた3人と株主が訴えた2人の計5人の賠償責任を認め、計約3億円の支払いを命じた。
その後、東芝は国内投資ファンドのJIPに買収された。昨年11月には、JIPによる株式公開買い付けに応じなかった株主の保有株を強制的に買い取るのに必要な「株式併合」の実施を決定。翌月には9300万あった株式が1株に併合され、原告の持ち株も1未満となった。(金子和史)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル