フリースクールについて「国家の根幹を崩しかねない」「不登校の大半は親の責任」などと発言した滋賀県東近江市の小椋正清市長は24日、市議会の全員協議会で経緯を説明した。「軽率な発言だった。市民のみなさまに不快な思い、誤解を招いたことに責任を感じる」と釈明した。
一方で「大半の親は苦労してでも自分の子どもを学校に送っている」などと持論を改めて展開。「私の非難の矛先は、文部科学省の現在の不登校対策の考え方。フリースクールの存在が悪い、通っている親や子どもが悪いとは一言も思っていない」と話した。
フリースクールについて「実態は分かっているつもり。教育機会確保法で支援しろと言っているが、市が一般財源を拠出する以上、しっかりと枠組みがあるのか、効果のあるものなのか」と疑問を呈した。また、「中には遊び、時間が経過しているだけ。本当に支援するのではあれば、フリースクールの基準、一般市民に対する理由付けが必要」と話した。
さらに「しんどいところからボーダーラインにいる子どもたちが僕も行きたいという風になったらどうなるのか。国家が予定している義務教育の枠組みが崩れてしまう。そういう危惧感を持った」と述べた。
「フリースクールが義務教育の一環としての役割を果たしているなら喜んで支援する。制度設計がない中で支援するのは問題がある」とした。
ただ「義務教育があるがゆえに、大半の親は苦労してでも自分の子どもを学校に送っている」と改めて話した。
滋賀県内のフリースクールや親の会でつくる県フリースクール等連絡協議会は市長あてに、発言の撤回と、不登校の子や保護者らと協議する場を設けることを求めている。小椋市長は「協議会のみなさんから『対決より対話』という素晴らしい提言を頂いた。どれだけ私の至らぬ発言によって傷つけることになったのか、しっかり謝罪したいという気持ちを持っています」と述べた。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル