東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)でテロ対策の不備が相次いだ問題で、東電の小早川智明社長は7日、新潟市内で記者会見を開き、自身を含む役員4人が月額報酬の30%を6カ月間、自主返納すると発表した。再発防止のため、核の防護対策に詳しい外部の専門家の協力を得て、社内で原因究明を進めていくという。
一連の問題で、原子力規制委員会は3月末、柏崎刈羽原発での核燃料の移動を禁じる是正措置命令を出す方針を決定。東電は弁明の期限とされた7日、命令を受け入れる意向を規制委に文書で伝えた。命令は近く確定する。
小早川社長は「地域の皆様をはじめ、広く社会の皆様に多大なる不安と不信を与え、心から深くおわび申し上げます」と陳謝。今後の対応として、10年前の福島第一原発事故までさかのぼり、社内で安全文化や核物質管理の重要性についての認識が根付いていたか、組織的な課題を検証していくことなどを挙げた。
同原発では昨年3月以降、立ち入り制限区域の不正侵入を検知する設備が故障したのに点検や保守を怠り、実効性のある代替措置も長期間講じられていなかった。昨年9月には社員による同僚の認証カードを使った中央制御室への不正侵入も起きていた。
規制委が、原因の背景に経営層の関与が不十分だったことを指摘したことについて、小早川社長は「経営側がどのようなイニシアチブを発揮するべきであったかは、これから詳細に調査し、改善するところは改善する」と述べた。(川村剛志)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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