《迫田孝也さん演じる丸菱商事の山本が群衆のなかを進み、背後には尾行する警視庁公安部の捜査員》《松坂桃李さん演じる別班の黒須がその山本を手助けし、外の様子をのぞいたコンテナの穴》
堺雅人さん主演のTBS系ドラマ「VIVANT」(日曜夜9時)には、愛知県豊橋市内で撮影された場面が次々と登場している。放映直後にはロケ地を訪れ、写真を撮るファンの姿が後を絶たない。竜星涼さん演じる新庄がドラマの中で手にした置物は、翌日には売れてしまったという。
「エキストラがたくさん集まるシーンは全部、豊橋にもってきているんですよ。ホームページで募集をかけたら、すぐに300人集まりました」
「とよはしフィルムコミッション(FC)」の鈴木恵子専務理事(71)はそう明かす。東三河地域に映画やドラマなど300本以上のロケを誘致してきた実績を持つ。
演出の福澤克雄監督から鈴木さんに寄せられる信頼は厚い。福澤氏はこれまで、「LEADERS リーダーズ」(2014年)や「陸王」(17年)など4作品を豊橋で撮影した。「国道1号で撮影したい」といった福澤氏の要望に、鈴木さんはすべて応えてきた自負がある。
今回の「VIVANT」は昨秋、ドラマの制作担当者から福澤氏のドラマの予定があると聞いたのがきっかけ。「豊橋にも撮影に来てください」。素早く要請し、誘致に至ったという。昨年末からのロケ地探しにも協力してきた。
豊橋駅の東西自由連絡通路、広小路通り、複合商業施設「ココラフロント」、豊橋鉄道渥美線……。撮影は3月に各所で行われ、ドラマで放映されてきた。エンドロールにも「特別撮影協力」として豊橋市の名前と市章「千切(ちぎり)マーク」が流れる。
しかし、ドラマの中では首都圏の都市の想定で描かれ、「豊橋市」としては登場しない。それでも鈴木さんは、ロケ誘致の意義をこう説く。「豊橋が豊橋で出れば、もちろんうれしいけれど、豊橋として映らなくても、ロケ地に選ばれ、ドラマに出ることで市民みんなが自分の街を誇りに思えると思う」
とよはしFCは、2023年3月に一般社団法人化し、ドラマやCMなどのロケを積極的に誘致する。鈴木さんは「話題になりそうな作品をどんどん引っ張って、みんなで盛り上がるようにしたい」と意気込む。(戸村登)
JR東海のCMの舞台も豊橋 まさかの「共演」も
「恥ずかしかったので誰にも言わなかったが、取引先のメーカーさんから結構いじられます。いい思い出になりました」
愛知県豊橋市でアイスクリー…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル