松阪牛の牛脂アイスが登場 「高級な味に」で開発後押し

 松阪牛を専門に精肉店やレストランを展開する「まるよし」(三重県松阪市)がこの夏、一風変わった商品を売り出した。その名も「松阪牛牛脂アイス」。その名の通り、松阪牛の牛脂を原材料に使ったアイスクリームだ。担当者は「ブランド牛の牛脂を使ったアイスの商品化はおそらく日本初」とPRするが、果たしてその味は……。

 同社によると、松阪牛の牛脂は甘みがあって、融点が他の和牛と比べても低いため、滑らかな口溶けを楽しむことができるという。担当者は「肉を焼くときぐらいしか用途がない牛脂だが、ポテンシャルは高い」と話す。

 その牛脂を使った変わり種ともいえる商品。その開発は、「お客さんに驚きと感動を届けたい」という思いから始まった。「牛脂を使うと、安いバニラアイスが高級な味になる」。そんなテレビ番組で放送されたちょっとした情報も、開発を後押しした。

 牛脂の風味そのものを楽しんでもらいたいと、バニラビーンズは使わず、ミルクアイスとして勝負。牛脂の割合は「企業秘密」だ。

 現在は同社が運営する3店舗で販売し、税込み380円。今後、オンラインショップでの販売も検討している。担当者は「ふだんは松阪牛に手が出なくても、アイスなら気軽に楽しめます」と購入を勧める。

 問い合わせは、まるよし販売促進事業部(0598・52・4456)。

食べてみると…

 商品名を聞いたときは一瞬ためらったが、記者も実際に食べてみた。

 アイスの色はほぼ真っ白だ。見た目や香りからは、「牛」はどこにも感じられない。口に運ぶと牛脂の効果なのか、舌の上ですうっと溶けた。甘さは控えめ。まろやかさもあって、お世辞抜きでおいしかった。

 担当者は「牛脂の風味は分かる人には分かる」と言う。確かに鼻へ抜ける香りから少し牛脂らしさがあるような。ただ、「牛脂」と言われなければ、きっと気づかないだろう。(甲斐江里子)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment