林道で男性保護、さらに聞こえた「助けて」の声 警察も驚く連続救助

中島健

 雨の降る山中で道に迷った70代男性を保護。その約2時間後、同じ山中の別の場所に入り込んだ30代男性を発見――。宮崎県警都城署は24日、2人の男性を相次いで救助した小林市の「永峯林業」に感謝状を贈った。広田匡慶署長は「我々もよくそういう場面に遭うが、全く知らない2人を救助する珍しい事案」と驚き、適切な対応をたたえた。

 署や、2人を保護した代表取締役の永峯広樹さん(24)によると、永峯さんは雨の降る今月13日朝、国有林の伐採現場に車で向かっていた。午前6時半ごろ、都城市山之口町の林道で、ぬれながら歩く高齢男性を見つけた。男性は前日の日中に山に入って迷い、車もぬかるみにはまって動けなくなったという。

 男性を車の中に保護。暖房に当たってもらいながら、仕事場に向かってきた従業員たちと手分けして周辺を探し、未舗装の作業道で車体まで泥にはまった軽乗用車を見つけた。

 仕事用のロープなどを使って車を引っ張り上げ、男性を車とともに安全な場所に運ぶため、永峯さんが先に林道を下り始めた午前8時10分ごろだった。今度はかっぱ姿で裸足の若い男性が、山の中から林道に駆け下りてきた。

 「助けて」。男性の言葉に永峯さんらは慌てて警察に通報。約30分かけ、林道の入り口近くの神社まで2人を運び、引き渡した。若い男性は13日朝、家族から捜索願が出されていて、車に乗せると眠り込んでしまったという。救急搬送され、命に別条はなかったが、発見が遅れれば、生命身体の危険が及ぶ可能性もあった。

 広田署長は「説明を受けても、警察官が行くのが難しい場所でした。助かりました」と感謝し、「こんなことがあるんだなあ」と驚いた。永峯さんは「私も正直、テンパっていました。車が動けなくなっていた場所は、入る人がまずいない道。高齢の男性が歩いてこられたので2人を助けることができた」と話した。(中島健)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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