鈴木芳美
高知県教育委員会は16日、自ら購入した校長の印を勝手に旅行命令簿に押すなど、計27件の公文書や資料などの偽造を行ったとして、黒潮町立大方中学校の事務職員(27)を同日付で停職12カ月の懲戒処分とし、発表した。修学旅行の出発が遅れるなど、生徒にも実害が出たという。
県教委などによると、事務職員は2022年度に、校長の決裁を受けるべき赴任旅費や旅行命令簿など18件に自分で購入した校長と同姓の印を押すなどした。また、備品や、生徒集金で購入予定だった理科や数学の副教材の未発注などの不適切な処理も見つかった。
文書偽造には、修学旅行関連の資料3件が含まれていた。業者に修学旅行の見積もり依頼を行わないまま、前年度の文書の日付を打ち換えた見積書を偽造するなどしていた。その後、今年5月に予定されていた修学旅行の契約ができていないことが教員の指摘で発覚し、修学旅行の出発が5日遅れた。この影響でソフトテニス部員が大会に参加できなくなった。事務職員は、事務処理が滞ったことを隠すために偽造を繰り返したと釈明したという。黒潮町教委は公文書偽造について県警に相談している。
また、県教委は16日付で、知人から銀行のローンカードや500万円をだまし取ったとして詐欺罪で起訴された県立高知東高校の教諭(56)と、酒気帯び運転の疑いで7月に検挙された県立四万十高校の会計年度任用職員(69)を懲戒免職処分にし、発表した。(鈴木芳美)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル