広島は78回目となる「原爆の日」を迎えた。岸田文雄首相は広島での主要7カ国首脳会議(G7サミット)の「成果」を強調し、「核兵器のない世界」の実現に向けた決意を改めて表明したが、国際社会では核軍縮に逆行する動きが強まる。「核抑止論によることなく、核廃絶に取り組むべきだ」という被爆地の声にどう向きあうのかが問われている。
広島市で6日午前8時に始まった平和記念式典。岸田首相は「唯一の戦争被爆国として、『核兵器のない世界』の実現に向けた努力をたゆまず続ける」と力を込めた。続けて、ウクライナ侵攻を続けるロシアによる「核の威嚇」などに触れ、「道のりは一層厳しいものになっている」と指摘した。
そのうえで、自身が議長を務めた5月のG7広島サミットの成果を強調した。「核軍縮の進展に向けた国際社会の機運をいま一度高めることができた」
サミットでは「核兵器のない世界」が主要議題の一つで、G7首脳はそろって広島平和記念資料館(原爆資料館)を訪問。原爆でゆがんだ三輪車やちぎれた学生服などの展示物を見て、被爆者とも対話した。
被爆の実相に触れた首脳らは、それぞれのメッセージを芳名録に寄せた。米国のバイデン大統領は「世界から核兵器を最終的に、そして、永久になくせる日に向けて、共に進んでいきましょう」と記し、平和の象徴である折り鶴2羽を「置き土産」とした。
G7首脳は議論の成果として、G7初の核軍縮に焦点を当てた文書「広島ビジョン」を発表。外務省幹部は「広島でサミットを開催した意義があった」と振り返る。
しかし、核軍縮に向けた具体…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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