伊沢健司
「核のごみ」(原発から出る高レベル放射性廃棄物)の最終処分場の選定に向けた全国初の文献調査の継続か中止かが争われた北海道寿都町長選で、障害者らの代理投票が違法な方法で行われたなどとして、町民ら5人が9日、公職選挙法に基づき町選挙管理委員会に対し町長選の無効を求める申し立てをした。
10月26日投開票の町長選では、調査を推進する現職の片岡春雄氏(72)が、中止を訴えた新顔の越前谷由樹氏(70)を235票差で破り6選を果たした。町長選の無効を求める申し立てをしたのは越前谷氏の後援会長の吉野寿彦さんら。「違法の結果が及ぶ票数は、得票数の差(235票)を上回る」と訴えている。
公職選挙法では障害者が投票用紙に代筆してもらう代理投票の方法を規定。投票の事務を担う「投票管理者」が、補助する2人を決め、1人が代筆、1人が立ち会うことになっている。
申し立てによると、複数の投票所でこの方法が実施されなかったと主張。さらに障害者施設の入居者が投票する際、付き添った施設職員が投票内容を見られる状況だったとして「投票の秘密が損なわれ、自由な意思による投票は期待できなかった」としている。
町選管が申し立てを棄却した場合、道選管に審査を申し立てることができる。さらに棄却された場合は、札幌高裁に提訴できる。(伊沢健司)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル