広島地検は15日、昨年7月の参院選で河井案里参院議員(自民、広島選挙区)の陣営が車上運動員に法定上限を超える報酬を支払った疑いがあるとして、案里氏や夫で前法相の克行衆院議員(自民、広島3区)の事務所、夫妻の自宅など複数の関係先を公職選挙法違反(買収)容疑で家宅捜索した。地検は今後、押収した資料を分析するなどし、立件の可否を慎重に検討するとみられる。
公選法と同法施行令は、選挙運動期間中に車上運動員に支給できる報酬を、1日あたり1万5千円以内と定める。関係者によると家宅捜索の容疑は、当選後に案里氏の秘書に就いた男性が、選挙カーに乗る車上運動員13人に対し、上限額に1万5千円上乗せして3万円を支払った疑いがあるというもの。男性は克行氏の元秘書という。
週刊文春(電子版)が昨年10月30日、こうした疑惑を報じ、大学教授や広島の市民団体メンバーらが昨秋以降、同法違反容疑で告発状を地検に提出していた。市民団体側には15日、告発を受理したと地検から連絡があったという。
関係者によると、地検は昨年末、選挙運動に関わった人たちを任意で事情聴取し、携帯電話の提供なども受けたという。
車上運動員として勤務した女性は昨秋、朝日新聞の取材に、報酬は法定上限内(8日間で12万円)だったと述べて違法性を否定。一方、「備品代」として選挙公示前に別途12万円を受け取ったとも説明していた。
公選法では、選挙運動で一定の立場や役職を担った人物や親族らが買収の罪に問われ、禁錮刑以上の有罪判決が確定するなどすれば連座制が適用され、候補者の当選が無効となる。地検は克行氏や、運動員に報酬を上乗せ払いしたとされる男性らが選挙にどのように関わっていたかなどについて調べを進めるとみられる。
案里氏は、安倍晋三首相や菅義…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル