昨年7月の参院選広島選挙区をめぐる買収事件で、公選法違反の罪に問われた参院議員、河井案里被告(46)の公判が16日、東京地裁(高橋康明裁判長)で開かれた。証人として出廷した元広島県議会議長の奥原信也県議(77)は検察側の尋問で、案里被告から現金を受領した際に領収書の発行を求められず、「裏金だと思った」と証言した。地元議員ら現金受領者の証人尋問は初めて。 奥原県議は尋問で、案里被告と夫で元法相の衆院議員、克行被告(57)から3回にわたり現金計200万円を受領したことを認めた。そのうち案里被告から昨年5月25日に受領したとされる50万円について、「もう一歩、(当選へ向けた応援に)力を入れてほしいという気持ちもあったと思う」と述べた。 克行被告から4月上旬に受領した50万円については、奥原県議自身が立候補して告示された統一地方選に対する「激励」などの趣旨ではないと否定し、「参院選へ向けた票集めをしてほしいということだと思った」と証言。参院選公示の迫った6月下旬にも、克行被告が奥原県議の後援会事務所を訪れ、100万円の入った封筒を机の上に置いたとし、「最後のお願いなのだと思った」と振り返った。 弁護側の尋問では、現金の違法性を認識していたとする一方、「政治家の世界では受け取った現金を返すと、選挙応援をやめたと思われてしまうため、いただいた」などと説明した。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース