桜前線、北上中 大阪では3年ぶりの「桜の通り抜け」

矢木隆晴

造幣局の桜の通り抜け=12日午前、大阪市北区、矢木隆晴撮影

桜前線北上中 東北、北海道でも

 春を告げるソメイヨシノの桜前線が全国を北上し、東北地方でも満開を迎えつつある。気象庁によると、全国で開花が最も早かった3月17日の福岡市を皮切りに開花が進み、東京では3月27日に、平年より4日早く満開を迎えた。

 4月12日時点で、開花が観測されていないのは、盛岡市青森市札幌市など。4月8日に開花した仙台市は、11日に満開となった。桜の名所として知られ、約200万人が訪れる弘前公園青森県弘前市)でも、徐々につぼみがほころび始めた。4月下旬に満開が予想されている。「弘前さくらまつり」が4月23日から(21日から準まつり期間)5月5日まで開催される。

造幣局の桜=12日午前、大阪市北区、矢木隆晴撮影

桜の通り抜け 3年ぶりに開催

 八重桜が見頃を迎えている造幣局大阪市北区)では、新型コロナウイルスの影響で過去2年中止になっていた「桜の通り抜け」が、3年ぶりに開催されている。

 会期は13日から19日までで、造幣局専用ホームページからの事前予約制となっている。138品種、335本が見頃を迎え、鈴なりに枝がしだれる並木はまるで「桜のトンネル」。今年の花は「福禄寿」で、淡紅色で八重咲きの大輪品種だ。新たな品種として「伊予菊桜」と「暁鐘」が加わった。

 4月12日には、高齢者や障害者などを対象とした「特別観桜会」が開かれ、写真を撮ったり散策をしたりして楽しんでいた。

 通り抜けは「市民とともに楽しもう」と1883(明治16)年から始まった。1917(大正6)年には約70万人が来場するなど、市民からの人気も高まっていった。43年から46年は太平洋戦争の影響で中止。45年の空襲では約500本中300本の桜が焼失する被害を受けた。

 2020年と21年は新型コロナウイルスの影響で、太平洋戦争以来の中止となった。様々な困難を乗り越えて、通り抜けは来年140周年を迎える。

朝日新聞社では、15日正午からと、夕方午後6時からの計2回、桜の通り抜けのライブ中継を行います。会場に来ることができなかった方々のために、まるで会場を歩いているかのような疑似体験をお楽しみいただけます。(矢木隆晴)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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