桜宮事件から10年、後を絶たない体罰 息子失った両親が今願うこと

 大阪市立(現在は府立)桜宮(さくらのみや)高校バスケットボール部の主将だった男子生徒(当時17)が、当時46歳だった部活顧問の暴力を苦に自殺してから、2012年12月23日で10年になる。10年たっても、部活動などでの教師による暴力は後を絶たない。遺族は、息子が残した「教訓」を生かしてほしいと願う。

 「部活の現場は10年でどれだけ変わったのか。学校は子どもたちの成長の場であることをわかった人に指導してほしい」。生徒の母親(54)は朝日新聞の取材に対し、そう力を込めた。

 元顧問は、生徒に繰り返した暴力が自殺の大きな要因になったとして懲戒免職となった。2013年9月に傷害と暴行の罪で懲役1年執行猶予3年の有罪判決を受けた。16年2月には自殺の原因を暴力だと認める民事訴訟の判決も出た。

 父親(53)は「裁判を通じて、部活が顧問の地位を守り、名誉を得るための『特殊な場所』になっていると感じた」と振り返る。

 学校の部活動の現場で、顧問らによる子どもへの暴力や暴言は後を絶たない。ニュースに触れるたび、「部活動を廃止するくらいでないと暴力や暴言はなくならないのではないか」とさえ感じている。だからこそ、両親は願っている。

 「決して暴力的な指導をしてはならない。部活動は子どものためのもの。そんな当たり前のことが当たり前になってほしい」(長野佑介)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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