本州付近に停滞している梅雨前線の活動が活発となっています。九州では同じ所で雨が降り続き、大雨となっている所もあります。この後も西日本から東日本の広い範囲で、大雨に厳重な警戒が必要です。
熊本などではすでに大雨に
梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んでいる影響で、九州を中心に大雨となっています。熊本県内では、同じ場所に発達した雨雲がかかり続けており、熊本県の三角では1時間に67.0ミリの非常に激しい雨を観測(~午前6時1分)。また、同県の南阿蘇では24時間の雨量が242.5ミリ(~午前7時40分)となるなど、大雨による土砂災害や川の増水に厳重な警戒が必要です。また、神奈川県の箱根にも発達した雨雲がかかり、1時間に32.0ミリ(~午前5時27分)の激しい雨が降りました。
3日頃にかけて梅雨前線が活発
梅雨前線は、7月3日(水)頃にかけて本州付近に停滞し、西日本を中心に大雨となる所があるでしょう。特に、九州では同じような場所に発達した雨雲がかかり続ける、いわゆる「線状降水帯」が発生することも考えられます。この数日で、平年の7月ひと月分の雨量を超すような雨が降る可能性があり、災害が発生するおそれがあります。最新の気象情報にご注意下さい。
警戒レベル4は「全員避難」
大雨が予想される地域では、土砂災害や低い土地の浸水、川の増水や氾濫に厳重な警戒が必要です。また、落雷や突風にもご注意下さい。なお、自治体から避難勧告や避難指示が出た場合には、速やかな避難をお願いいたします。5月に運用が始まった「警戒レベル」に当てはめると、避難勧告・避難指示は「警戒レベル4」となります。「警戒レベル5」はすでに災害が発生している状況とされ、「警戒レベル4」の段階ですでに全員が避難を終えている必要があります。
避難行動は早めに
昨年発生した「平成30年7月豪雨」などでは、川の氾濫や土砂災害等が実際に発生するまで避難行動をとらず、避難を行うタイミングを逃してしまったケースもありました。自分だけは大丈夫と思い込んでしまう「正常性バイアス」によって、適切な行動を取れなかったことが原因の一つとも考えられています。自宅や職場などのハザードマップを確認して危険なエリアや避難経路を把握し、自治体からの避難情報が出たときはすぐに避難できるようにしておきましょう。
日本気象協会 本社 佐藤 匠
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