大久保泰
千葉県我孫子市の空き地で、花が咲くまで数十年と言われる「アオノリュウゼツラン」が咲き始めた。通りかかる人たちが空を見上げて写真に収めている。
所有者の椎名恒久(ひさゆき)さん(82)によると、60年ほど前に植えられたという。今年5月初旬ごろから、高さ2メートルほどの株から花茎が伸び始め、8メートルほどになった。10日から淡い黄色の小さな花を開いているという。「どんどん伸びて驚いた。花が咲いてうれしい。多くの人に見てほしい」
千葉県立中央博物館植物学研究科の天野誠・上席研究員によると、メキシコ原産で、数十年かけて一度だけ咲いた後、枯れてしまうという。1カ月ほどは咲いている。お酒のテキーラの原料としても知られる。
とげの生えた分厚い葉を竜の舌に例え「竜舌蘭(リュウゼツラン)」の和名がついた。100年に一度咲くと誤解され、英語で「センチュリー・プラント(世紀の植物)」とも言われる。(大久保泰)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル