椎名桔平さんといえばテレビドラマや映画で長年活躍を続ける俳優だが、実は20代の駆け出し時代は劇団「新宿梁山泊」で過ごした。つまり、根は舞台の人なのだ。ただ、劇団在籍時には一度も役をもらえず雑用ばかりの日々。公演の舞台に立つことはなかったという。それでも、ある経験が「自分の手応えになった」と振り返る。そんな椎名さんが12月、アガサ・クリスティ原作の舞台「オリエント急行殺人事件」に主演する。このほどインタビューに応じ、若かりし頃のほろ苦い思い出や、現在取り組む役づくりの姿勢、さらにはコロナ禍で変わった価値観などを語った。
――1993年の映画「ヌードの夜」(石井隆監督)で注目され、その後テレビドラマや映画に出演するなど、数々の映像作品で知られていますが、確か最初のキャリアは劇団でしたよね。
金守珍(キムスジン)さんが代表を務める新宿梁山泊で修業をさせてもらった。2年ほど所属していたのですが、その間、ずっと完全に下働きでした。公演のためのテントを設営したり、荷物運びや美術、音響の手伝いをしたり……。結局、一度も役をもらえなかった。
――舞台に立つことはなかったのですか?
稽古での代役止まりでした。一…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル