検察「親の窮地につけこんだ」懲役4年求刑 発達障害の子ら監禁の罪

中山直樹

 発達障害のある中学生らを拘束して監禁したとして、逮捕監禁の罪に問われている福岡市のNPO法人「さるく」理事長の坂上慎一被告(57)の論告求刑公判が27日、福岡地裁であった。

 検察側は「被害児童に強い恐怖心を植え付けた」として懲役4年を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めた。判決は来年1月20日。

 検察側は論告で、「知的障害などを抱える児童の問題行動に悩む親の窮地につけこみ、児童を拘束・監禁することを事業の一環として繰り返した」と指摘した。

 そのうえで「被害児童の人間性、尊厳を顧みない独善で、強い非難に値する」と述べた。

 これに対して弁護側は、坂上被告が40年にわたって障害のある児童の療育に真摯(しんし)に取り組み、今回の行動は児童の社会的な自立を目指して実施していたと主張した。

 起訴状などによると、坂上被告は2017~21年、福岡県長崎県の男子中学生3人の自宅に乗り込み、「殺すぞ」と脅して手足をベルトで拘束したり、頭に袋をかぶせて殴ったりした。

 さらに、山道に連行して「捨てていく」「埋めるぞ」と脅迫し、施設に監禁したとされる。(中山直樹)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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