1966年に静岡県で一家4人を殺害したとして、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(87)の裁判をやり直す再審の第3回公判が20日、静岡地裁(国井恒志裁判長)であった。犯行時の着衣とされた「5点の衣類」について、検察側が改めて袴田さんのものだと主張。再審開始を決めた東京高裁は捜査機関による捏造(ねつぞう)の可能性を指摘したが、「非現実的で不可能だ」と訴えた。
「5点の衣類」は、袴田さんの逮捕から約1年後に勤務先のみそ工場のみそタンクから見つかったズボン、パンツ、シャツなどで、赤みが残る血痕が付いていた。
68年の確定判決は袴田さんの犯行着衣と認め、有罪を導く最大の根拠とした。弁護側はかねて「1年以上みそに漬かれば血痕は黒褐色になる」として、捜査機関が後から投入した捏造証拠だと主張。今年3月、東京高裁はこれを認めて再審開始を決めた。
「公になるリスクも高い」
検察側はこの日、改めて「衣…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル