インターネットを巻き込み議論になっている「検察庁法改正」をめぐる問題。8日に「#検察庁法改正案に抗議します」というツイートが投稿されると、翌日の夕方ごろから同じハッシュタグを使用したツイートが増え始め、Twitterトレンド1位を獲得。俳優やアーティストなども引用してツイートし、抗議する姿勢を示している。
一方で、この大きな広がりは新たな騒動にも。歌手のきゃりーぱみゅぱみゅが10日に投稿した抗議ツイートに対し、「歌手やってて知らないかもしれないけど」と皮肉を交えた投稿や、「芸能人は政治的発言をしないでください」などの声が寄せられた。この後、きゃりーぱみゅぱみゅは「ファンの人同士での私の意見が割れて、コメント欄で激論が繰り広げられていて悲しくなり消去させて頂きました」として、ツイートを削除した。
Twitterの異例の盛り上がりと、これまであまり見られなかった政治に対する著名人らの意見表明。慶応大学特任准教授などを務めるプロデューサーの若新雄純氏は、著名人の“役割”について期待を寄せる。
「僕は芸能人であろうがアーティストであろうがどんどん発言すればいいし、自由だと思っている。ただ、個人的に期待するのは、みんなで議論に参加しようという呼びかけもいいけど、一番は、ネットで盛り上がっている情報や議論について単に便乗するのではなく、事実関係を調査して『みんなで学んでいくことが大事』ということを広めてほしい。今回の件は、何が問題とされ何が行われようとしているのか、元になるツイートだけでは背景が十分にわからない。後になって専門家が整理したりしてはいるが、そのために『デマだ』『勉強してから出直せ』という話が出ている。影響力のある人がハッシュタグで乗っかるだけというのも、やり方としてもったいないと思う」
インターネット上では、「情報を整理する力」が必要だとする若新氏。「Twitter上で不十分な情報が飛び交うのは仕方ないが、誰もが関心を持つことができ、専門家に質問することもできる。どういうことが起きていて何が問題なのか、問題だと言う人もいればそうではない人もいる。そういったことを学んだ上で、議論すべきところを整理する力をみんなが少しずつ身につけていくことが一番大事だと思うし、誰でも学ぶことができるのがインターネット社会の目指すべき姿だと思っている」との認識を示した。
その上で、インターネット上でのこうした動きについては、「デモ活動では敵が設定されたり、相手をやり玉に上げたりすることが多い。そうなると当然、正義のつもりで行動しても誰かを傷つける可能性はあるし、不十分な認識の場合はその行動が問題にもなる。インターネット上で簡単にデモのような活動が広げられる分、慎重にならなくてはいけないと思う」と述べた。
(ABEMA/『けやきヒルズ』より)
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