北海道に新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」が適用されることが25日、決まった。道内に緊急事態宣言や重点措置が適用されるのは、昨年9月30日の宣言解除以来、約4カ月ぶりとなる。期間は1月27日~2月20日の25日間で、道は道内全域の飲食店に時短営業を要請するなどの対策を決定。変異株「オミクロン株」による感染者増は続き、新学期が始まった学校関係者にも警戒感が高まっている。
道は25日午後、対策本部会議を開き、重点措置適用後の対策を決定。鈴木直道知事は「各地で感染が広がり、高齢者の感染者数が増加している。札幌市以外の地域における医療の負荷が高まってきている。医療の窮迫と社会機能の維持への影響を最小限に抑えなくてはいけない」と述べた。
重点措置が道に適用されるのは4度目で、措置区域が全道となるのは初。外出の際は混雑した場所などを控え、都道府県間の移動を極力控えるように求める。さらに全道で飲食店に時短要請を行う。
25日の新規感染者数は1536人。1500人超は5日連続。人口10万人あたりの新規感染者数(25日時点)は直近1週間で202・2人と初の200人超となった。
函館市では過去最多となる98人の新規感染者を確認。これまでの最多の53人を大幅に上回った。同市でこの日のクラスター(感染者集団)の確認はなかったが、10代未満から高齢者まで幅広い層で感染を確認。数人の会合で感染した例もあったという。
全道の病床使用率(24日時点)は21・5%。札幌市を除く地域では病床が少なく、23・6%と高くなっている。24日までの1週間の年代別感染者数は、30代以下が前週比で2・9倍増、60代以上が同4・0倍増。高齢者に感染が広がり、医療提供体制への負担が増している。
検査体制も逼迫(ひっぱく)している。保健所や医師の判断で行う「行政検査」の検査能力は1日最大3万4千件あるはずだが、感染者が多い道央圏では検査施設に検体が集中し検査が追いつかず、検査件数は1日8千件程度にとどまる。
札幌市では検査予約の電話がつながりにくく、発熱外来の医療機関にも問い合わせが殺到。濃厚接触者の検査が十分にできていない。オミクロン株は軽症・無症状者が多く、感染に気付かず検査しない人も多いとみられ、鈴木知事は「感染確認が限定的になっているという認識のもとで対策を講じなければいけない」という。
道はワクチンの3回目接種を早期に進めるため、大規模接種会場を設置する方針。設置場所や対象者、期間などは今後検討する。(榧場勇太、中野龍三)
■休業より営業で客足を…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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