国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の中止の経緯などを調べてきた愛知県の検討委員会は18日発表した最終報告の関連資料として、不自由展に反対してきた河村たかし名古屋市長の主張の検証結果を公表した。
河村氏は芸術祭を主催する実行委員会の会長代行で、不自由展が再開された10月8日には、県庁前などで一時座り込みをして抗議した。河村氏はその後も記者会見などで発言を続けている。不自由展について、市独自の検証委員会も設置し、19日に都内で初会合がある。検証の結果次第では、支払いを留保しているトリエンナーレの市負担金3400万円を払わない意向だ。
検討委は、10月9日の河村氏への聞き取りのほか、12月9、10日の記者会見や産経新聞のインタビュー記事上の発言を検証の対象にした。資料について「広く県民に対する情報公開、事実関係と事実誤認を明確化すべく作業結果を公開する」と位置づけた。
資料で分析された河村氏の発言と検討委の意見のうち、主な内容は次の通り。
――河村氏「(あいちトリエンナーレは)名古屋市主催ですから、愛知県もそうだけど。名古屋市民がこの展示を応援したということになるんです」
――検討委意見「主催主体は、多くの構成員が参画する『実行委員会』という組織(任意団体)であり、名古屋市や愛知県ではない」
「行政が公金を使って表現行為を援助する場合には、憲法上保障されている表現の自由、思想・良心の自由を守らなければならない。従って、法令に違反する場合を除き、特定の作品の展示を拒み、あるいは特別扱いをすべきでない。また逆に、公的施設が、その作品の展示を許可したからといって、行政機関として、その作品がかもし出すメッセージ等を支持したことにはならない」
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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