大阪府の南河内地域で栽培されている「ちはや姫」。完熟出荷と、産地に来て味わってもらうことにこだわった高級ブランドイチゴだ。初出荷から7年目を迎え、認知度は浸透してきている。だがブランドイチゴは全国にあり、競争力を高めていくことも求められている。(吉川喬)
千早赤阪村のビニールハウス内で、太陽光を反射して輝く大粒のイチゴ。8個入りは1パック2450円、一回り大きな粒が入った6個入りは2900円などで販売されている「ちはや姫」だ。
農家の大田洋子さん(53)は「このイチゴのため、膨大な手間と時間をかけてきた」と胸を張る。
魚粉などを含んだ栄養豊かな土で栽培。農薬の使用量が通常より少なく、安心で環境にも配慮しているとして府の認証を受けている。その分、害虫がつきやすいため、こまめに畑を回って手で取り除く。つぼみの一定数を取り、残った果実にうまみやコクを集中させる。
大粒に育っても、「甘みの最高到達点」まで待つ。ヘタの間際まで赤く色づくと、ようやく「一番甘さを蓄える」という早朝に収穫する。この時がまさに食べ頃のため、賞味期限はもって収穫後の翌々日までだ。
ちはや姫の認定基準は、千早赤阪村と河南町で栽培された品種「紅ほっぺ」のうち、「一粒40グラム以上」で「糖度15度以上」のもの。
大田さんによると、スーパーに並ぶイチゴは1粒20、30グラム程度が多く、糖度も13度で高い方だ。
大田さんは「ちはや姫になれるのは全体の数%程度。『一番おいしいイチゴを出荷したい』という私たちの思いがつまっている」と話した。
担い手不足などに悩む農業。でも暗い話ばかりではありません。前向きに、変革に取り組む現場があります。動きを追い、伝えます(随時掲載)。
ちはや姫が誕生したのは、過…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment