横浜市が、カジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致する方向で調整していることが、市関係者への取材でわかった。東京都心や羽田空港からの交通の便がよい横浜港・山下ふ頭(同市中区、47ヘクタール)が候補地とみられる。ただ、IR誘致には市民や議会の反対論が根強く、林文子市長が正式表明に踏み切れば激しい反発も予想される。
市関係者によると、市は9月の市議会定例会に、IR関連の約3億円の補正予算案を出す方向で最終調整している。可決されれば、事業者選定の準備など具体的な検討に入る見通し。
林市長は一時、誘致に前向きだったが、2017年の市長選を前に「白紙の状態」と慎重姿勢に転じた。一方、昨年7月のIR実施法成立後、IRに関心がある民間事業者から構想案を公募。「白紙」の姿勢を維持しつつ、IRに関する情報を蓄積してきた。公募に対し、12事業者が提案を寄せ、中には投資見込み額を1兆3千億円とするものもあった。
IR誘致を巡っては、横浜商工会議所などが経済活性化や観光消費につながると推進の姿勢を見せるが、市民にはギャンブル依存症や治安悪化などへの懸念からカジノに反対する意見が多い。さらに、山下ふ頭を利用する企業が加盟する横浜港運協会(藤木幸夫会長)が強く反対している。(武井宏之)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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