横浜市が突如IR誘致を正式表明した背景は?(THE PAGE)

 横浜市の林文子市長が、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致について正式表明しました。林氏は、これまでIR誘致については「白紙」と言い続けてきましたが、ここに来て突如、誘致する方針を打ち出したことにはどのような背景があるのでしょうか。

【中継録画】横浜市がIR誘致を正式表明 林市長が会見

「白紙」から一転した横浜市 誘致争いは激化

 日本は公営ギャンブルを除いて、原則として賭博を禁止していますが、昨年7月、統合型リゾート(IR)実施法が、可決成立したことで、全国3カ所を上限にカジノやホテルを一体化した施設の整備が認められることになりました。3カ所という制限については将来的に拡大させるという議論もありますが、今のところは、限定された3カ所をめぐって、各自治体や関連企業が激しい誘致合戦を繰り広げることになります。

 これまでに、大阪、和歌山、長崎などが誘致を表明しており、北海道や愛知なども誘致を検討しているとされます。横浜市でも経済界を中心にIR誘致を求める声は大きく、議論が続けられてきましたが、林氏は「白紙」であるとして、方向性を明らかにしてきませんでした。林氏が方針を曖昧にしてきた理由は、市民の中にはカジノ誘致に反対する声も多いことに加え、候補地とされる横浜港の山下ふ頭を長年にわたって仕切り、「ハマのドン」ともいわれた藤木幸夫横浜港運協会会長がカジノ誘致に猛反発しているからです。

“ハマのドン”藤木氏「命をかけて反対」 元々は賛成の立場

 藤木氏は林氏の誘致表明を受けて記者会見に臨み、眼光鋭く「命をかけて反対する」「私の顔に泥を塗らせた人がいることははっきり分かっている」と穏やかではない発言を行っています。

 藤木氏がカジノに猛反発していることについては、首をひねる人もいるのですが、もともと藤木氏はカジノについては賛成という立場でした。ところがギャンブル依存症の深刻さを知り、反対の立場に転じたそうです。ただ、一部には藤木氏が菅官房長官と対立しているという報道もあり、誘致の方針や事業の進め方などについて意見の相違があったとする見方も出ているようです。

 カジノについては大きな経済効果が見込めるという試算がある一方、入場料など制限が多く、大量の外国人客を動員できなければ採算ラインに乗らないとする指摘もあり、実際のところフタを開けて見ないと分からない部分も多いのが現実です。本来であれば、すでに国が基本方針を公表しているタイミングですが、微妙な問題であることから、公表は先送りされた状況にあります。

(The Capital Tribune Japan)

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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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