自家用車で一般のドライバーが有料で客を運ぶ「ライドシェア」について、横浜市が導入に向けて検討を始めたことがわかった。現在は「白タク行為」として原則禁止だが、これを可能とする仕組みを国が検討していることを踏まえ、同市でも導入できるよう働きかける考え。大型客船で訪れる外国人観光客の利用も想定し、外国語が堪能な人にドライバーを担ってもらう案も浮上しているという。
大型客船の訪日客は団体バスで東京や鎌倉に
関係者によると、訪日観光客(インバウンド)が急回復したことを受けて横浜市でもタクシーが不足。市には「乗車待ち時間が長くなっている」との声も寄せられているという。一方、現在は客船で横浜を訪れた客らが団体バスで東京や鎌倉に向かうことも少なくない。富裕層の訪日観光客の中には運転手付きの車を個人で借り切り、横浜市や周辺の観光地を自由に回りたいというニーズがあり、こうした需要に応える狙いもあるという。
ライドシェアは海外では広く利用されている一方、国内では道路運送法で原則禁止されている。一方、タクシー運転手が不足しているとの理由から、菅義偉前首相が「導入に向けた議論も必要だ」と提唱するなど、導入を求める声が出ていた。10月の所信表明演説で岸田文雄首相は「ライドシェアの課題に取り組む」と表明。公共交通が乏しい過疎地などで、例外的に自家用車を使って有償で運送できる制度を柔軟に運用する「日本版ライドシェア」の仕組みの検討が始まっている。
これとは別に、神奈川県ではタクシー不足に悩む三浦市でライドシェアを実現できないか、対策を検討。大阪府と大阪市も2025年の大阪・関西万博に向けて、導入の検討を始めている。(堅島敢太郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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