北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの父で「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)の前代表、故・横田滋さんを追悼する「お別れ会」が24日、東京都千代田区であった。約300人が参列し、今年6月に87歳で亡くなった横田さんの遺影に花を手向けた。
会では、横田さんが1997年からめぐみさんの実名を出して問題の解決を呼びかけ始めたことで、2002年に北朝鮮が拉致を認めるに至ったことなどを紹介。家族会代表の飯塚繁雄さん(82)が「拉致問題の解決は日本全国民の願い。解決をもって横田さんのお礼に代えたい」とあいさつした。妻の早紀江さん(84)は「今日も元気でいるよと写真に話しかけている。同じ思いの方が力を尽くして実現に向けてがんばっていただきたい。そのことを信じている」。
菅義偉首相や安倍晋三前首相も出席。菅氏は「政府として、一政治家として大変申し訳なく思っている。拉致問題は菅内閣においても、引き続き最重要課題。先頭に立って、あらゆるチャンスを逃すことなく、活路を切り開いていく。すべての拉致被害者の一日も早い帰国に向けて全力で行動したい」、安倍氏は「安倍政権で、めぐみさんのいる家族のだんらんを滋さんが元気のうちに取り戻すことができなかったのは断腸の思いだ。これからも拉致問題解決のために全力を尽くす」と述べた。(贄川俊)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル