1945年8月の敗戦後、シベリアに約2年間抑留された日本人男性が白樺(しらかば)の樹皮にふるさとへの思いをつづった「白樺日誌」について、収蔵する舞鶴引揚記念館(京都府舞鶴市)が保存修復に向けた調査を始めた。
樹皮に文字が書かれた文化財の長期保存は世界的にも類似の例がなく、保存技術の確立をめざす。
36枚の樹皮に200首の和歌
白樺日誌は、舞鶴市出身の瀬野修(しゅう)さん(1908~95)が出征先の樺太で終戦を迎えた後、シベリアでの抑留中に日々の思いを和歌の形でしたためたものだ。
〈玉子酒 風邪によろしと母上は 手づから我に造りくれしか〉
〈幽囚の 身こそ悲しき遺言も あらずて異郷に逝く人多し〉
36枚の白樺の樹皮は縦約10センチ、横約15センチに切りそろえられ、両面に計約200首の和歌が記されている。
紙類を持てず、鉛筆もなかった収容所。驚くべき方法で記された「白樺日誌」は戦後78年のいま、劣化への備えが指摘されています。長期保存に向けて始まった調査を取材しました。
■空き缶をペンに、煙突のすす…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment