テレビドラマ「おしん」や「渡る世間は鬼ばかり」などを手がけた脚本家の橋田寿賀子さんが亡くなったのを受け、橋田さんの作品に出演した人たちから悼む声が相次いだ。
橋田寿賀子さんの死去を受け、NHK朝の連続テレビ小説「おしん」(1983~84年)で主人公の少女時代を演じた俳優の小林綾子さんが談話を発表した。
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あまりにも突然の訃報(ふほう)に、信じられず、寂しい気持ちでいっぱいです。
私が「おしん」に出演させて頂いたのは10歳の時でしたが、それ以来、橋田先生のドラマや舞台にたくさん出演させて頂き、本当にお世話になりました。心から感謝しております。
最近では毎年お誕生日会でお目にかかっていたのですが、お会いするといつも「お母さんお元気? よろしくお伝え下さいね」と、おしん撮影当時に一緒に行動していた母のことを、今でも気遣って下さったり、贈り物をお送りした時などには、美しい達筆な字のおはがきを、楽しい船旅の様子などと共に、毎回丁寧に書いてきて下さいました。
どんなときも、温かく見守ってくださるお優しい先生です。
今こうして私がお仕事させて頂けているのは、橋田先生のおかげです。先生が「おしん」を書いて下さったお陰で、人生の幅を大きく広げて頂きました。先生の作品は、いつまでもみんなの心の中で生きています。橋田先生、本当にありがとうございました。心からご冥福をお祈り致します。
伊東四朗さん「ゆっくりお休み下さい」
NHK連続テレビ小説「おしん」で、主人公・おしんの父親を演じた伊東四朗さんのコメントは次の通り。
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あの国民的番組「おしん」の父親役に呼んでいただいたのは、その後の役者人生にとって画期的な事でした。橋田先生有(あ)り難(がと)う御座(ござ)いました、ゆっくりお休み下さい。合掌
石坂浩二さん「残念でなりません」
ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」でナレーションを務めた石坂浩二さんのコメントは次の通り。
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突然の訃報(ふほう)に驚いております。橋田さんには沢山(たくさん)のドラマでお世話になりました。最後にお会いしたのは2018年橋田寿賀子賞の時で励ましのお言葉を頂き、今でも心に残っています。この先ずっとずっと書き続けられると思っていたので残念でなりません。ご冥福を心からお祈り申し上げます。
馬渕英里何さん「ファミリーの一員、本当に感謝」
「渡る世間は鬼ばかり」で、岡倉家の長女・弥生(長山藍子さん)の息子の妻・佐枝を演じた、馬渕英里何さんが発表したコメントは次の通り。
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突然の訃報(ふほう)に大変驚き、言葉がありません。
今年、ファミリーと再会できることを楽しみにしておりました。橋田先生がこのコロナ禍をどう描くのか、本当に心から楽しみにしていた矢先のことで、悔しい、寂しい、残念、どれもしっくり来ない、ただただ心にぽっかり穴が空(あ)いたようなそんな状態です。たったお一人でたくさんの人物の思いをお書きになるお姿、毎度圧巻でした。たくさん学ばせて頂いた、鍛えて頂いた、高い山にいくつも登らせて頂いた、そんな体感だけが蘇(よみがえ)ります。
どうか安らかに、そして先に旅立たれたファミリーの皆様と、再会されて賑(にぎ)やかに、新たな物語を紡いで頂けますよう、願わずにいられません。
ファミリーの一員にして頂いたこと、本当に感謝しております。
藤田朋子さん「また、お会いしたかった」
「渡る世間は鬼ばかり」で、岡倉家の五女、長子を演じた藤田朋子さんのコメントは次の通り。
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突然のことすぎて言葉が見つかりません。毎年、お誕生日に笑顔でご挨拶(あいさつ)させて頂いていましたが、去年は、お目にかかれず、今年は5月にお会いできるのかなと心待ちにしていました。ご病気のことも存じ上げずにいました。
信じられません。
先生
また、お会いしたかったです。
さみしいです。
どうしようという気持ちです。
船越英一郎さん「心の整理がつきません」
「渡る世間は鬼ばかり」で、岡倉家の四女・葉子(野村真美さん)の元婚約者・山口太郎を演じた、船越英一郎さんのコメントは次の通り。
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お元気で次回作の筆を振るわれていらっしゃると確信しておりましたので、突然の訃報(ふほう)にまだ心の整理がつきません。
父、母、私と親子三人に渡り、先生の作品世界の住人にさせて頂きました事、そして何より、橋田賞を頂戴(ちょうだい)しました事が私の誇りです。
心よりの感謝と共にご冥福をお祈り申し上げます。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル