大貫聡子
X線診断装置に一定期間が経つと故障したようになるタイマーを仕掛けて不正な修理をおこなったとして、熊本県は18日、熊本市南区の「島津メディカルシステムズ」熊本営業所に、医薬品医療機器法に基づく業務改善命令を出した。
県薬務衛生課によると、2016~18年に同営業所の修理責任技術者(当時)が、県内5カ所の医療機関に設置されたX線診断装置に一定期間経過すると照射されなくなるようなタイマーを設置。故障を偽装し、不正に修理を行っていた。健康被害は確認されていないという。
親会社の島津製作所(京都市)は2月、外部調査委員会による調査報告書を公表。それによると、1件約150万~200万円で部品を交換。内部通報で不正の報告を受けた執行役員は調査などを見送っていた。県は今年2月に立ち入り検査を実施した。
県は、必要な登録をせずに医療機器の改造行為を行ったなどとして、体制の抜本的な改革や組織の構築、実効性のある内部通報制度の整備などを命じた。1カ月以内に再発防止策などを明記した改善計画を提出するよう求めている。担当者は「医療機器への信頼を失墜させる行為。全社をあげて抜本的な改革に取り組んでほしい」としている。
島津製作所の広報担当者は「二度と同様の事態を引き起こさないよう、当局の指示に従い改善に取り組む」としている。(大貫聡子)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル