「口が軽すぎる」「レスラーのリップサービスもほどほどに」。東京五輪の招致をめぐり、自民党の国会議員時代に内閣官房報償費(機密費)を使って、選定委員に1人20万円のアルバムを贈ったと発言し、その後、全面撤回した石川県の馳浩知事。当の本人はまるで何事もなかったように冗舌だが、県幹部や県議ら周囲から懸念の声が出ており、「これ以上問題を起こさないで」とやきもきしている。
29日、馳知事はデジタル技術の推進事例や民間空き店舗の有効利用の事例を視察するため、石川県能美市を訪問。農家や地域交流施設を訪れた。
デジタル化や農地の集約化を進める若手農家が、就農を決意したエピソードの一つとして「農家でももうかる」と、親から札束を見せられたという話をすると、知事は説明資料の札束の写真を指し、「これすごいね。本当にこれだけあったの?こんなになかった。イメージね」と口滑らかに語った。
自身の政治とカネをめぐる説明には口をつぐむが、農家には「農機にいくらかかったの」「何年ローン?」などと質問していた。
能美市は、馳知事が「人生を変えた師匠」と仰ぎ、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長を務めた森喜朗元首相の出身地。今回の機密費発言は、地元でも失言の多い森氏と比較されている。
視察後、改めて真意を問うと……
視察した地区の住民男性は「…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル