次の動物愛護法改正のゆくえ 虐待下の動物救うため、必要な制度とは

 施行から5年をめどに見直し作業をするよう規定されている動物愛護法。現行法の段階的な施行が始まってから3年余りがたち、2025年の法改正をめざして既に議論や検討作業が始まっています。「真に動物を守る」ために、いまどのような法制度が求められているのでしょうか。次の法改正を巡ってどんなことが主要なテーマになりそうか、議論の最前線を取材しました。

真夏の車内に取り残された犬、どうすれば…

 「前回の法改正で厳罰化は進んだ。でも現行法のままでは、虐待されている動物を確実に助け出し、保護することができません」

 10月上旬、東京・永田町の衆院第1議員会館で開かれた、次の動物愛護法改正のあり方を考えるシンポジウム。国会議員も含めた約200人を前に、公益社団法人「日本動物福祉協会」の町屋奈(ない)・獣医師調査員はそう訴えた。

 どういうことか。町屋さんはいくつか事例をあげる。

 たとえば、虐待されて死にかけている猫を発見しても、所有者(飼い主)の許可がなければ助け出せない。

 真夏の車内に置き去りにされた犬がいても、所有者を探したり獣医師に状態を確認してもらったりと手順を踏む必要があり、対応に時間と手間がかかる。

 警察が介入して虐待の証拠品として動物を押収できたケースでも、捜査が終わって返還を求められたら、再び虐待されるおそれが高くても所有者のもとに返さなければならない――。

「緊急一時保護制度」と「飼育禁止命令」

 こうした状況を打開するのに…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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