森直由
神戸市立須磨海浜水族園(同市須磨区)が31日閉園し、前身の須磨水族館と合わせて約66年間の歴史に幕を閉じた。
午後7時半ごろ、入り口のシャッターが下りるなか、従業員たちが並んで頭を下げると、集まった多くの人たちから拍手が送られ、「これまでありがとう」などの声が上がった。
この日の閉園セレモニーでは、市立若宮小の児童らが「私とスマスイの思い出」と題して「三角屋根がなくなると思うとさみしくなります」「阪神・淡路大震災を乗り越えて、今までありがとうございました」などと語った。
家族4人で訪れた明石市の会社員笠井翔太さん(35)は「小さい頃から家族で何度も通い、最後の思い出に来ようと思いました。特に水しぶきがすごいイルカショーが印象に残り、寂しいです」と話していた。
同園は1957年に神戸市立須磨水族館としてオープンし、87年に須磨海浜水族園としてリニューアルした。約66年間の来園者は約6600万人にのぼる。
中垣内浩・総支配人(54)は「たくさんのお客さんに来て頂き、長い間にわたり地域に根ざした水族園だったと実感しています。本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と話していた。
園は来年6月、新水族館「神戸須磨シーワールド」に生まれ変わる予定。シンボルの三角屋根の本館は取り壊されて広場になる。(森直由)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル