九州豪雨で被災した大分県日田市小野地区で、戸山神社の正月の縁起物「タカ」が2年ぶりに復活する。被災からの復興疲れから地元の鈴連町壮年会が昨年は制作を諦めたが、「地域の伝統を自分たちの代でなくしてはいけない」と地域おこしグループ「すずれ元気村」がバトンを受け、伝統を継承することになった。
同グループによると、タカは数十年前から壮年会が制作。九州豪雨が起きた2017年は「災害には負けられない」と続けたが、1年たった昨年は長引く復興の疲れから「気概が維持できなくなった」と断念したという。それを聞いたグループは地域の歴史をつなぐため、制作を買って出た。
グループには、かつて壮年会に加盟していたメンバーもおり、当時を思い出しながら制作。同地区の山からホオノキを切り出し、樹皮を剥いで10センチほどにカット。一つずつのみで切り込みを入れて羽に見立て、色付けし、顔を描いて255個を完成させた。タカには同神社総代がくじ引き用の番号を入れ、氏子らに販売。元日のくじ引きが終われば神棚などに飾り、1年間の活動を見守ってもらう。
メンバーの井下裕司さん(58)は「地域に残る伝統は貴重。丹精込めて作ったタカを大切にしてほしい」と話した。 (笠原和香子)
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