自民党と立憲民主党は14日、国会議員の給与にあたる歳費を1年間、2割削減することで合意した。各党との協議を経て、5月から実施したい考えだ。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、店舗や施設などが休業を余儀なくされている中、「厚待遇」との批判をかわす狙いも透ける。歳費をめぐっては、平成23年3月の東日本大震災後から半年間、特例法で毎月50万円削減した例がある。
「野党の理解もいただき、1日も早く歳費2割削減を実現したい」
立憲民主党の安住淳国対委員長との会談で、「歳費2割カット」で合意に至った自民党の森山裕国対委員長は記者団にこう述べた。
自民党では、世論の動向を意識した若手らが歳費削減の流れを加速させる形となった。当選3回の衆院議員らが10日、賛同者のリストを手に二階俊博幹事長に歳費削減を提案。二階氏以外の幹部にも根回しし、13日の役員会で歳費返納を検討する方針が決まった。賛同者の1人は「政府が実施する事業規模108兆円の緊急経済対策に関して地元から批判があり、何もしないわけにもいかなかった」と胸の内を明かした。
一方、昨年の参院選で10%削減を公約に掲げた公明党はもともと歳費カットには前向きだ。山口那津男代表は14日の記者会見で「新型コロナが収束に向かうまで、国民に共感を示す姿勢を表すために国会議員の歳費を2割削減すべきだ」と訴えた。
ただ、歳費削減がポピュリズム(大衆迎合主義)と受け取られかねないことへの不満の声もくすぶる。
ある自民党幹部は「今、必要なのは財政出動だ。『国民に寄り添う』といって歳費を削減するのは感覚がおかしいとしか言えない。反対だ」と語気を強めた。(今仲信博)
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