難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者(当時51)に対する嘱託殺人容疑で医師2人が逮捕された事件で、女性の遺体から、ふだんは使っていなかった鎮静薬の成分が検出されていたことが捜査関係者への取材でわかった。京都府警は、チューブで胃に栄養を直接送る「胃ろう」から投与されたとみて調べている。
捜査関係者によると、女性は昨年11月30日、大久保愉一(よしかず)容疑者(42)と山本直樹容疑者(43)とみられる男2人と自宅で面会後、呼吸停止状態に陥り、搬送先の病院で死亡した。司法解剖の結果、胃から鎮静作用がある「バルビツール酸系」の薬物の成分が検出され、死因は急性薬物中毒だった。女性は物をのみ込むことができず、栄養は胃ろうを通じて取っていた。
バルビツール酸系の薬物は、医療現場で抗てんかん薬や麻酔薬として使われるのが一般的だが、過剰に投与されると呼吸低下を招き、死に至る恐れもあるとされる。ある医師は「ALS患者への投与は危険性が高い」と指摘する。欧米では、医師による安楽死に使われることもあるという。
女性はこの鎮静薬をふだん使っ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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