死亡選手の前に先導車なし 「ツール・ド・北海道」第三者委が初会合

 9月8日に自転車ロードレース「ツール・ド・北海道」で起きた交通事故で、死亡した選手が走っていた21人の集団の前には対向車に注意を呼びかける「先導車両」がいなかったことが29日、わかった。専門家でつくる第三者委員会「安全対策検討会」の初会合で主催者のツール・ド・北海道協会が明らかにした。今後、対策が十分だったかを検証する際のポイントになりそうだ。

 事故現場は、片側1車線で見通しの悪いカーブだった。当時、自転車の走行車線は原則左側1車線のみとされていた。選手の対向車線へのはみ出しについては主催者側が禁止していた。

 同協会によると、死亡した中央大の男子選手(21)が午前11時35分に十勝岳の頂上付近を通過した時は、21人中5位だった。その後、先頭に立ってカーブに突入した際、対向車線にはみ出て乗用車と衝突した。

 衝突した車両は午前10時10分ごろ、頂上付近を往復している姿が目撃されていたほか、警備員から促されて上富良野町方面に移動していたことも判明した。

 座長を務める萩原亨・北大院教授(交通工学)は「片側1車線しか使えないという要素が、即座に事故に結びつくわけではない」とし、時間をかけて再発防止策をまとめる考えを示した。会合では「ルール違反者に、金銭や時間の罰則を課す方法もある」との意見も出たという。(石垣明真)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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