死刑執行の瞬間「反省していたと願いたい」 加古川7人殺害の遺族

小野大輔

 兵庫県加古川市で親族ら7人を殺害した藤城康孝死刑囚(65)の死刑が執行されたことを受け、被害者の遺族は21日、弁護士を通じて「(藤城死刑囚が)死刑執行の時、何を思ったのかは分かりませんが、亡くなった被害者のことを少しでも思い出し反省していたと願いたいです」とするコメントを出した。

 確定判決によると、藤城死刑囚は2004年8月2日未明、包丁や金づちで近くに住む親類ら8人を襲撃し、うち7人を殺害。さらに自宅に放火した。00年夏にガソリンを購入するなど、事件の数年前から殺害計画を立てていた。

 少年時代から親類や隣人に邪魔者扱いされていると感じていたとされる。公判では「積年の恨みを晴らしたかった」と起訴内容を認める一方、弁護側は「妄想性障害のため、心神喪失か心神耗弱の状態だった」と主張。責任能力の有無や程度が争点となった。

 09年5月の一審・神戸地裁判決は責任能力があったと判断。「まれにみる凶悪・重大事案」と述べ、求刑通り死刑を宣告した。13年の大阪高裁も一審を支持。15年5月に最高裁が上告を棄却し、死刑が確定した。

 事件をめぐっては、近隣住民から藤城死刑囚とのトラブルについて事前に相談があったのに事件を防げなかったとして、兵庫県警の対応が問題視された。県警は「対応は適切だった」とする一方、本部にプロジェクトチームを設置。相談業務のあり方を見直した。(小野大輔)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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