柳川迅
頭にけがを負った状態で見つかり、その後死亡した福井県の辻一憲県議(当時56)について、同県警は29日、司法解剖の結果、死因は脳挫傷などだったことを明らかにした。依然として事故、事件いずれの可能性もあるとし、情報提供を呼びかけた。
捜査1課によると、死因は左の頭頂部から後頭部にかけて打撲を負ったことによる外傷性くも膜下出血と脳挫傷。頭の骨が折れていたほか、左の肩とひじに打撲があったという。頭は硬い平面にぶつけたと考えられ、転んで路面に打ちつけた可能性もある、とした。
発見前、座り込み、立ちすくむ姿
同課は発見までの経過も説明した。19日午後、辻県議は越前市長選の立候補予定者の事務所開きに出席した後、越前市宮谷町の自宅に戻った。その後、自宅周辺の住宅地で自身の政策ビラを配布しており、午後3時15分ごろに会話した住民がいた。同4時半ごろから同8時ごろにかけて、何カ所かで座り込んだり、立ちすくんだりしている様子が目撃されたという。話しかけた住民もいるが、うなずくだけで会話はなかったという。辻県議が目撃された場所のうち2カ所では血痕らしきものが見つかった。同じ時間帯に、言い争う声などは確認されていないという。
辻県議は19日午後9時50分ごろ、越前市上真柄町の住宅の植え込みに座りこんでいるところを帰宅した住民が見つけ119番通報。市内の病院で手術を受けたが、意識不明のまま26日夜に死亡した。
情報提供は越前署(0778・24・0110)へ。(柳川迅)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル