編集委員・北郷美由紀
地球と人間社会を共に持続可能にするために、2030年までの行動目標を掲げるSDGs(エスディージーズ)(持続可能な開発目標)が、国連で全会一致で採択されてから25日で7年になる。30年まであと8年。「後半戦」を前に、日本での取り組みに特に足りないことを探った。(編集委員・北郷美由紀)
貧困半減、目指すはずが……
貧困問題の社会的解決を目指して活動するNPO「もやい」は、毎週土曜の午後、他の団体と一緒に東京都庁前で食料配布と相談会を行っている。コロナ禍のもと配ってきた食料は、このほど4万食を超えた。
今月10日も、秋の気配を感じさせる風が通る中、食料入りの袋が手渡されていた。この日の中身は、パンの缶詰が3個、お湯で戻すピラフが1個、桃とトマトが各1個、パンが2個。桃とトマトは、開始当初から協力する生協のパルシステムが融通した。通販のカタログハウスの協賛で、近くのモスバーガーから温かいチーズバーガーも届いた。
この日は545人が並び、68件の相談があった。今年に入ってから500人を超えるようになり、食料確保は綱渡りの連続。配る食品の数も減り気味だ。
SDGsは、貧困をなくすことを17ある目標の最初に掲げている。その中に小目標もあり、各国は、その国における貧困を半減することになっている。
ところが日本政府は、半減す…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル