残業120時間、遠すぎる私生活の充実 部活を掛け持つ教諭の孤独

 6月の土曜日の夜。

 関東地方で高校教諭を務める30代女性は、職員室でパソコンに向かっていた。週明けの授業の準備だ。

 この日は昼から、顧問を務める運動部の指導があった。翌日は、顧問を掛け持ちしている文化部の発表会の引率がある。

 平日は放課後、毎日のように文化部の活動がある。夜までかかることもざらだ。

 土曜日だけは運動部の練習に顔を出す。指導は外部指導者に依頼しているが、生徒同士の人間関係に何かトラブルの芽がないか、週に1度は見なければ責任を果たせない。

 授業準備に割ける時間は実質、土日だけだ。

 時計はすでに午後9時を回っている。早く帰りたいけれど、仕事は全然終わっていない。自分を責めながら、目の前の仕事をこなすしかなかった。

 この月の時間外労働は、120時間を超えた。

連載〈いま先生は〉

授業だけでなく、事務作業や保護者対応、部活動……。さまざまな仕事を抱え、悩み、疲れ、それでも前に進む。そんな先生たちのリアルな姿を報告し、働き方のこれからを考える連載「いま先生は」。第3部では、部活指導の実態を取り上げ、今後のあり方を探ります。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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